『幸福な時間』百田尚樹
祥伝社文庫
本書の体裁はショートショートとなっており、いくつかの短編の物語が収録されている。
男女の駆け引きを題材にしたものが多く、
どの作品も人間の本質を突いてくる内容となっていた。
今回は「催眠術」という題名の作品を取り上げて紹介する。
主人公の男性は会社の同僚に催眠術の仕方を教えてもらい、
自宅で妻に試してみることにした。
しかし何度やっても妻は催眠術にかからない。
やはり素人にはできないのかと諦めかけた時、妻の様子が変わった。
目がうつろになり、名前を読んでも反応が鈍くなった。
催眠術にかかった妻に、主人公は様々な質問をした。
「最も愛しているのはだれだ?」-「あなたです」
「一番最近、男に抱かれたのはいつか?」-「三日前です」
ここで主人公は気づいた。
妻とは十日以上関係をもってないことを。
主人公は意を結して尋ねた。
「その男性の名前は?」-「足立さんです」
なんと同僚の名前だったのだ。
予想だにしなかった事実に驚き涙をこぼす主人公に妻が放った一言は、、、
「 」
ここは読んでからのお楽しみにとっておこう。
一つの物語の中で何度も落とし穴にはめられ、
また落とし穴があるかもしれないとわかっていながら作品の中に引き込まれ、
ページをめくる手がとまらなくなる。
最後の見事なオチに騙されることが快感に変わってくる作品であった。
古川案
『幸福な時間』(のりこ)
百田尚樹
祥伝社文庫
本書の体裁はショートショートとなっており、いくつかの短編の物語が収録されている。
男女の駆け引きを題材にしたものが多く、
どの作品も人間の本質を突いてくる内容となっていた。
今回は「催眠術」という題名の作品を取り上げて紹介する。
主人公の男性は会社の同僚に催眠術の仕方を教えてもらい、自宅で妻に試してみることにした。
しかし何度やっても妻は催眠術にかからない。
やはり素人にはできないのかと諦めかけた時、妻の様子が変わった。
目がうつろになり、名前を読んでも反応が鈍くなった。
催眠術にかかった妻に、主人公は様々な質問をした。
「最も愛しているのはだれだ?」-「あなたです」
「一番最近、男に抱かれたのはいつか?」-「三日前です」
ここで主人公は気づいた。
妻とは十日以上関係をもっていないことを。
主人公は意を決して尋ねた。
「その男性の名前は?」-「足立さんです」
なんと同僚の名前だったのだ。
予想だにしなかった事実に驚き涙をこぼす主人公に妻が放った一言は、、、
「 」
ここは読んでからのお楽しみにとっておこう。
一つの物語の中で何度も落とし穴にはめられ、また落とし穴があるかもしれないとわかっていながら作品の中に引き込まれ、ページをめくる手がとまらなくなる。
最後の見事なオチに騙されることが快感に変わってくる作品であった。