エネルギーとコストのからくり(きむ)

「エネルギーとコストのからくり」

大久保泰邦 著
平凡社2014年

とても勉強になる一冊であり、半年前に読んでいたかった……。
本書は、エネルギーに対するコストの考え方が重要であると説いている。現代社会のエネルギーを支える重要な資源は石油だ。その石油をめぐる話題を中心に話は進んでいく。
例えば、あなたは200円で仕入れた商品を100円で販売するだろうか。わたしだったらしない。最低でも200円を上回る価格で販売する。これは石油に関しても同じである。石油を採掘するのにかかったコスト、これを上回る価格でしか販売はされない。つまりコストが上がれば、自ずと価格も上昇するのだ。
筆者は石油の消費を温床とした現代社会のあり方に警鐘を鳴らし、日本の産業構造や生活様式を変えるべきであると訴えている。なぜならば石油埋蔵量には限りがあり、その価格はますます高価になっていく一方であるからだ。
就職活動を始める前に本書を読んでいれば、業界選びにおいて非常に有用な判断材料になったのではないだろうか。就活を目の前にする学生に、わたしはこの本をすすめたい。

 

古川案

とても勉強になる一冊であり、半年前に読んでいたかった……。

本書は、エネルギーに対するコストの考え方が重要であると説いている。現代社会のエネルギ

ーを支える重要な資源は石油だ。その石油を中心に話は進んでいく。

例えば、あなたは200円で仕入れた商品を100円で販売するだろうか。わたしだったらしな

い。最低でも200円を上回る価格で販売する。これは石油に関しても同じである。石油を採

掘するのにかかったコスト、これを上回る価格でしか販売はされない。つまりコストが上がれ

ば、自ずと価格も上昇するのだ。

筆者は石油の消費を温床とした現代社会のあり方に警鐘を鳴らし、日本の産業構造や生活

様式を変えるべきであると訴えている。なぜならば石油埋蔵量には限りがあり、その価格はます

ます高騰するからだ。

就職活動を始める前に本書を読んでいれば、業界選びにおいて非常に有用な判断材料になったのではな

いだろうか。就活を目の前にする学生に、わたしはこの本をすすめたい。

(2,3段落の繋がりがわからない。3段落目が抽象的すぎて意味を読み取れない。4段

落目、就職活動との関わりもいまいちわからない。「重要」や「有用」という言葉自体は

意味を持たないので、容易に使わない方がいい)

人たらしのブラック心理術(いとゆう)

『人たらしのブラック心理術』
女たらし、男たらし、、はご存知だろう。しかし、「人たらし」はご存知か?
タイトルに惹かれ、読んでみた。みなさんは、人と接する時に気をつけていることはあるか?
私の周りには、この人のこと嫌いな人いないんじゃないかな、って人が数人いる。その人たちの共通点はこの本の中にあった。
その中でも印象に残った3つの点を紹介する。
1.「自分の体調を、整える」
人たらしは、いつも元気である。この点は、私は全く出来ていない。ゼミでは体調不良キャラだし。
2.「言葉尻に  イ  をつける」
いつも口元が怒ってるタイプの人っている。別に イ と声に出して言わなくても良いが、語尾には  イ  という口にするとニコニコしているように見えるのだ。
3.「後輩には絶対奢らない」
奢ってくれる先輩ってよくいる。後輩の心の裏は、奢ってくれるからゴハン行く、だろう。
この本の人たらしは奢らない。後輩にもちゃんと出してもらう。
お金を払ってまで、この先輩とゴハンに行きたいと思わせるのだ。
このほかにも、人たらしの術をたくさん学べた。
大事な人に会う前、就活、営業、人に会う場面は人生で外せない。
コッソリ読んでほしい一冊だ。
古川案
『人たらしのブラック心理術』(いとゆう)
女たらし、もしくは男たらし、という言葉はご存知だろう。しかし「人たらし」はご存知だろうか?
タイトルに惹かれて読んでみた。みなさんは、人と接する時に気をつけていることはあるだろうか?
私の周りには、誰からも好かれる人がいる。それが人たらしだ。本書では、その人たらしの共通点が紹介されている。例えば以下の3つである。
1.「自分の体調を整える」
人たらしはいつも元気である。一方、私は体調不良の日が多い。
2.「言葉尻に イ をつける」
人たらしの語尾は イ の口になっていて、ニコニコしているように見える。いつも口元が怒っている人は気をつけた方がいい。。
3.「後輩には絶対奢らない」
人たらしは後輩にも奢らない。つまり、お金を払ってまで、この先輩とゴハンに行きたいと思わせているのだ。奢ってくれる先輩はよくいる。しかし後輩の心の裏は、奢ってくれるからゴハンに行くのだろう。
このほかにも、人たらしの術をたくさん学べた。大事な人に会う前、就活、営業、人に会う場面は人生で外せない。コッソリ読んでほしい一冊だ。

就活のコノヤロー(きむ)

「就活のコノヤロー ネット就活の限界。その先は?」

石渡嶺司 著
光文社新書2013年

前書、「就活のバカヤロー」発刊から5年。石渡氏が現在の就活事情を踏まえ、前書とは異なるスタイルで執筆したのが本書だ。わたしにとって興味深い点は2点あった。著者による就活生のタイプ別分類と日本における就活協定の歴史、この2点である。
就活生を9つのタイプ、さらに女性(本書中ではなでしこと呼称)を5つのタイプに分けている。わたし自身は、どれか1つのタイプに当てはまるではなく、複数のタイプに当てはまるように感じられた。このタイプ別分類には、「これって私のこと?」と、ドキッとする就活生が多いのではないか。
就活協定とは企業群が中心として定めた、法的拘束力のない紳士協定である。2015年卒業の大卒者には、3年生の12月から説明会等が解禁され、採用は4年生の4月からとなっている。このように、企業が大卒者に対して、いつから採用活動を行って良いかが定められている。この就活協定の起こりは古く、1929年の大学卒業生に適用されたものが初めてだ。しかし、協定を裏切ることが有利な採用活動につながり、最初の協定はわずか6年ほどで無に帰した。その後も就活協定は、新設と廃止の歴史を現代まで繰り返してきたのだ。
前書と本書、両書を通じてわたしは楽しめた。ただ、わたしを含めた就活生にとって、就活は楽しめるものではないだろう。そんなわたしが言いたいことは1つ。就活のコノヤロー!

古川案

「就活のコノヤロー ネット就活の限界。その先は?」 (きむ)
石渡嶺司 著
光文社新書2013年
前書、「就活のバカヤロー」発刊から5年。石渡氏が現在の就活事情を踏まえ、前書とは異なるスタイルで執筆したのが本書だ。特に興味深かったのは、著者による就活生のタイプ別分類と、日本における就活協定の歴史である。
就活生を9つのタイプ、さらに女性(本書中ではなでしこと呼称)を5つのタイプに分けている。わたし自身は、どれか1つのタイプに当てはまるではなく、複数のタイプに当てはまるように感じられた。このタイプ別分類には、「これって私のこと?」と、ドキッとする就活生が多いのではないか。
就活協定とは企業群が中心として定めた、法的拘束力のない紳士協定である。2015年の大学卒業生は、3年生の12月から説明会等が解禁され、採用は4年生の4月からとなっている。このように、企業が大卒者に対して、いつから採用活動を行って良いかが定められている。この就活協定の起こりは古く、1929年の大学卒業生に適用されたものが初めてだ。しかし、協定を裏切ることが有利な採用活動につながり、最初の協定はわずか6年ほどで無に帰した。その後も就活協定は、新設と廃止の歴史を現代まで繰り返してきたのだ。
前書と本書、両書を通じてわたしは楽しめた。ただ、わたしを含めた就活生にとって、就活は楽しめるものではないだろう。そんなわたしが言いたいことは1つ。就活のコノヤロー!

1日10分 速読勉強法(こーじ)

『40歳から人生を変える 1日10分 速読勉強法』

高島徹治 著

講談社 2003年発行

 

私たちは今、知識が価値を持つ時代、”知価社会”時代に突入していると言えよう。いや、より正確に言うなれば知識が価値を生み出す時代になったと言うべきだろうか。モノの時代は終わり、「知」という得体の知れない、無形のものが社会を支配するようになりつつあることを、想像できる人は少なくないだろう。そして知識を得るための勉強は、今や小中高大学生のうちに終わるものではない。新しい技術や製品、アイデアが仕事や生活の場で、次々と現れる現代社会では歳をとっても勉強しなければならない「生涯教育」の時代である。しかし、段々と自分の時間が取れなくなっていく生活の中、どうやって勉強すればいいのだろう。そこで、この本に書かれている「速読勉強法」の出番なのである。時間がないと嘆くサラリーマンでもすぐでき、トレーニングも必要ない。ようするに楽しく簡単に「速読」を身につけることができる。
現代社会の時間に埋もれ、それを言い訳に「こんなもんか」とステップアップ諦めているそこのあなたにぜひこの本を手に取って見てほしい。

古川案

『40歳から人生を変える 1日10分 速読勉強法』(こーじ)
高島徹治 著
講談社 2003年発行
私たちは今、知識が価値を持つ時代、”知価社会”時代に突入していると言えよう。いや、より正確に言うなれば知識が価値を生み出す時代になったと言うべきだろうか。モノの時代は終わり、「知」という得体の知れない無形のものが、社会を支配するようになりつつあることを想像できる人は多いはずだ。そして知識を得るための勉強は、今や小中高大学生のうちに終わるものではない。新しい技術や製品、アイデアが仕事や生活の場で、次々と現れる現代社会では、歳をとっても勉強しなければならない。すなわち「生涯教育」の時代である。しかし、現代は@@@のために人々は忙しく、まとまった勉強時間を確保することが困難である。そこで、この本に書かれている「速読勉強法」の出番である。時間がない人でもすぐでき、トレーニングも必要ない。簡単に「速読」を身につけられるのだ。
現代社会の時間に埋もれ、それを言い訳にステップアップを諦めているそこのあなたに、ぜひこの本を手に取って見てほしい。

女子校育ち(はるか)

『女子校育ち』

辛酸なめ子著

ちくまプリマー新書 2011年度
私は高校から女子校だった。というのは、嘘でほぼ女子校だった。共学にも関わらず1学年320人中異性は20人にも満たなかっただろう。おかげで高校生活3年間は女子しかいない環境で過ごしたといっても過言ではない。著書では私のようなエセ女子校育ちではなく、中学から高校まで女子校で育ってきた子たちの実態をうまくとらえている。東京の名門女子校を多数例にあげ、女子校育ちの実態をおもしろおかしく解説しているのだ。
一昔前では、「女子校育ち=おしとやかなお嬢様」と思う人が多かっただろう。しかし実態はそんな美しいものではない。「お嬢様」がいるというのは間違っていないが、決して「おしとやかなお嬢様」はほぼいないと行っても過言ではない。異性のいない空間では本物の自分でいられる、異性の目を気にして猫を被っていない「お嬢様」がそこにはいるのである。
私の場合は高校から女子校で、なによりお嬢様ではない。しかし高校時代を思い出すたくさんの共通点を見つけることができた。女子校に行った人は懐かしむことができ、女子校に行ったことがない人や男性には女子校育ちの実態を知ることができる。

古川案

『女子校育ち』(はるか)
辛酸なめ子著
ちくまプリマー新書 2011年
私の高校は共学だった。とはいえ、1学年320人中男子は20人にも満たなかった。つまり私は女子校育ちといっても過言ではない。著書では私のようなエセ女子校育ちではなく、中学から高校まで女子校で育ってきた子たちの実態をうまくとらえている。東京の名門女子校を多数例にあげ、女子校育ちの実態をおもしろおかしく解説しているのだ。
一昔前では、「女子校育ち=おしとやかなお嬢様」と思う人が多かっただろう。しかし実態はそんな美しいものではない。「お嬢様」がいるというのは間違っていないが、決して「おしとやかなお嬢様」とは限らない。異性のいない空間では本物の自分でいられる。つまり、「お嬢様」たちは猫を被っていないのだ。
私はエセ女子校生で、なによりお嬢様ではない。しかし私の高校時代との共通点をたくさん発見した。女子校に通った人は懐かしむことができ、女子校に通ったことがない人や男性は女子校育ちの実態を知ることができるはずだ。

日本の7大商社(ゆき)

「日本の7大商社」(ゆき)

久保巌 著

平凡社新書  2012年

日本の7大商社

日常生活の中では三井、三菱、住友などの名前はよく耳する。タイトルから商社という日本独自の企業形態に大きな興味を抱き、この本を開いて読み始めた。
世界に類をみないビジネスモデルのの日本の7大商社とは財閥系の三菱商事、三井物産、住友商事と非財閥系の伊藤忠商事、九紅、双日、豊田通商のことを言っている。
一番好奇心があるところは、スタッフ組織と人事制度の章に「商社はヒトなり、いわば、商社はヒトが最大の資産・財産であり、人材が全て、と言っても過言ではない」と書いてあり、ヒトって、会社経営のヒト・モノ・金のヒトのことを最も重要な存在と認識したことが分かった。例を挙げてみると、三菱商事の人事制度の特徴は「キャリアバンド」を基準に職責区分」考え方を取り入れていることにある。
確かにこの本は日本の7大商社についての歴史やビジネスの書籍だが、内容は普通のニュースや日経新聞に載っている情報と同じ感じなので、目新しい情報が得られないと思うが、就活生にとっては各商社の情報を知ることができるかもしれない。

古川案
「日本の7大商社」(ゆき)
久保巌 著
平凡社新書 2012年
日本の7大商社
日常生活において三井、三菱、住友などの名前をよく耳する。日本独自の企業形態である商社に興味を抱き、この本を開いた。
世界に類をみないビジネスモデルである日本の7大商社とは、財閥系の三菱商事、三井物産、住友商事、と非財閥系の伊藤忠商事、九紅、双日、豊田通商である。
最も興味深かったのは、スタッフ組織と人事制度の章に、「商社はヒトなり、いわば、商社はヒトが最大の資産・財産であり、人材が全て、と言っても過言ではない」と書かれていた。つまり、会社経営のヒト・モノ・金の中でも、ヒトを最も重要な要素に位置づけていたのだ。例を挙げてみると、三菱商事の人事制度の特徴は「キャリアバンド」を基準に職責区分」の考え方を取り入れていることにある。
確かにこの本は日本の7大商社についての歴史やビジネスの書籍だが、内容は普通のニュースや日経新聞に載っている情報と同じなので、目新しい情報が得られないと思うが、就活生にとっては各商社の情報を知ることができるかもしれない。

就活のまえに(だーまな)

「就活のまえに」

中沢孝夫 著

ちくまプリマー新書 2010

先日愛知大学では、2016年度卒業生へ向けた第一回目の就職活動ガイダンスが開かれました。いよいよ多くの大学3年生が就活を意識し始める時期ではないでしょうか。私も就活に対して漠然とした不安や焦燥感を抱いています。そんな私が手に取ったのが本書です。

 本書では様々な職場を例に挙げ、仕事とは何か、職場とは何か、書かれています。共同体の中で成長することの大切さ、ニーズに応じた仕事を考え出す力が求められていること、就職した後の仕事のやり方など、実例に基づきながら筆者の考えが述べられています。就活を意識し始めている大学生はたくさんいると思います。しかし実際に働くことや自己実現について考えている学生は多くはないと思います。私は働くことについて自分でしっかりと考えるために本書を読むことをおすすめします。

 さて本書の7章では「専門」を学ぶことの重要性について書かれています。経営学や法学、心理学など分野は何でもよいので専門的な分野を充分に理解することが重要である。専門的な知識を身につけることで世界の出来事を自分なりに理解し、説明がつくようになる。と筆者は述べています。就活と焦り、インターン、ボランティア活動、などなんとなくするのではなく大学生としてじっくりとゼミナールの自分の研究と向き合っていきたいです。そこから自分なりの軸であり根拠地をつくっていきたいです。

古川案

「就活のまえに」(だーまな)
中沢孝夫 著
ちくまプリマー新書 2010
先日愛知大学では、2016年度卒業生へ向けた第一回目の就職活動ガイダンスが開かれました。いよいよ多くの大学3年生が就活を意識し始める時期ではないでしょうか。私も就活に対して漠然とした不安や焦燥感を抱いています。そんな私が手に取ったのが本書です。
本書では様々な職場を例に挙げ、仕事とは何か、職場とは何か、書かれています。共同体の中で成長することの大切さ、ニーズに応じた仕事を考え出す力が求められていること、就職した後の仕事のやり方など、実例に基づきながら筆者の考えが述べられています。就活を意識し始めている大学生はたくさんいると思います。しかし実際に働くことや自己実現について考えている学生は多くはないと思います。私は働くことについて自分でしっかりと考えるために本書を読むことをおすすめします。
さて本書の7章では「専門」を学ぶことの重要性について書かれています。経営学や法学、心理学など分野は何でもよいので専門的な分野を充分に理解することが重要である。専門的な知識を身につけることで世界の出来事を自分なりに理解し、説明がつけられるようになる。と筆者は述べています。就活への焦りはありますが、インターンやボランティア活動など、なんとなく実行するのではなく、大学生としてじっくりとゼミナールの自分の研究に向き合いたいです。それにより自分の軸であり本拠地を作りたいです。

ペンギンが空を飛んだ日 ―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル (まなちー)

 

『ペンギンが空を飛んだ日』―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル (まなちー)

椎橋章夫著

交通新聞社新書

2013

 私は大学生になり電車を利用し始めた。乗車券ICカードであるmanacaを定期券として使っている。改札でそのカードを取り出し、機械の上にタッチをして通過する。今では当たり前になったこの一連の動作は13年前まではなかった。本書にはIC乗車券の元祖である関東発のSuica誕生と実現までの格闘が記されている。

 Suicaが日本に姿を現したのは2001年。私はそのころ7歳で電車の定期券とは無縁の生活を送っていた。なのでそれ以前の電車事情は知らなかった。それまで電車の定期券といえば、磁気式の切符であった。改札の中に切符を入れて出口で受け取る。Suicaの登場でこれらの動作は不要になった。人々は改札に殺到することなく実にスムーズに出ていく。私が磁気式切符を使うのは新幹線に乗る時だ。改札に切符を入れ、出口でまた切符を手に取り鞄にしまう。実にわずらわしい。ICカードはそのわずらわしさを一気に解消させたのだ。たまにしか乗らない新幹線に乗る時でさえわずらわしいと思うのだから毎日通勤・通学していた人々は実にストレスフルであったであろう。

 簡単にも思えるこの乗車券の改良は様々な困難を乗り越えて今に至っている。改札を通り過ぎるスピード、タッチアンドゴー、無線のやり取り、予算の問題、利用者のニーズ

など様々な壁を乗り越えて今利用者は実に快適に駅の改札を抜けることができている。乗車券に限ったことではない。自動販売機やコンビニ、今ではレストランでも交通系ICを利用できる。つまり、乗車券としての機能だけでなくクレジットカード機能も搭載されたマルチカードなのだ。

 ところで本書のタイトル『ペンギンは空を飛ぶ』というタイトルに興味をそそられたのは私だけであろうか。私と同じように興味を持ったならぜひ本書を読んでその謎を解き明かしてほしい。

 

古川案

『ペンギンが空を飛んだ日』―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル (まなちー)

椎橋章夫著
交通新聞社新書 2013年

私は大学生になり電車を利用し始めた。乗車券ICカードであるmanacaを定期券として使っている。改札でそのカードを取り出し、機械の上にタッチをして通過する。今では当たり前になったこの一連の動作は13年前まではなかった。本書にはIC乗車券の元祖である関東発のSuica誕生と実現までの格闘が記されている。
Suicaが日本に姿を現したのは2001年。私はそのころ7歳で電車の定期券とは無縁の生活を送っていた。なのでその当時とそれ以前の電車事情は知らなかった。それまで電車の定期券といえば、磁気式の切符であった。改札の中に切符を入れて出口で受け取る。私の定期はICだが、新幹線を利用する時は磁気式切符を使う。たまにしか乗らない新幹線に乗る時でさえわずらわしいと思うのだから毎日通勤・通学する人々は実にストレスフルであったであろう。Suicaの登場でこれらの動作は不要になった。人々は改札で混雑することなく実にスムーズに出ていく。
簡単にも思えるこの乗車券の改良は様々な困難を乗り越えて今に至っている。改札を通り過ぎるスピード、タッチアンドゴー、無線のやり取り、予算の問題、利用者のニーズなど様々な壁を乗り越えて今利用者は実に快適に駅の改札を抜けることができている。乗車券に限ったことではない。自動販売機やコンビニ、今ではレストランでも交通系ICを利用できる。つまり、乗車券としての機能だけでなくクレジットカード機能も搭載されたマルチカードなのだ。
ところで本書のタイトル『ペンギンは空を飛ぶ』というタイトルに興味をそそられたのは私だけであろうか。私と同じように興味を持ったならぜひ本書を読んでその謎を解き明かしてほしい。