現代語訳 学問のすすめ(よし)

現代語訳 学問のすすめ

2009年ちくまー新書出版

福沢諭吉著 斉藤孝訳

 

「学問のすすめ」とは、福沢諭吉氏が明治五年から九年にかけて発行された全十七編の書物を一つに纏めたものである。「天は人の上に人を造らず」という出だしフレーズは日本人ならほとんどの人が知っている。しかしその先の内容を知っている人は多くはない。わたしもその一人だ。そこで今回現代語訳という形で「学問のすすめの」とは何を書いたものなのかを知るためこの本を手に取った。

 

本書の内容としては明治時代に福沢諭吉が友人へ送った「学問」とは何かを独人考えで説いたものだ。政府や攘夷活動の批判など当時の時代背景が色濃く出ており、読んでいて共感できないことも多々あるかもしれない。しかし要所要所で訳者の斉藤孝氏の説明が注記されているため当時の時代を詳しく知っている人でなくともすらすらと読み進めることができる。後半にあたる第十四編から十七編には、人生設計の技術や判断力の鍛え方などビジネス書などの要素が含まれており、現代でも生かせる技術も数多く書かれていた。

 

私が思うに本書は福沢諭吉氏が考える学問の必要性が書かれている。学問といっても、工学や経営学、会計学など、いわゆる実学と呼ばれるものだ。実学を学ぶことで自分の意識がはっきりとし、経済がうまく回る。そこに人の幸せな生き方があると福沢諭吉氏は語っている。私はこれからたくさんのことを学ぶ多くの学生に幸せな人生の第一歩として本書を読んでもらいたい。

 

古川案

 

この本の背景が必要だと思う。要するに、職業が家柄によって決まるのではなく、能力のある人が職業を選べる時代になったということ。これは、努力で将来を何とかできる、という大事な変化を意味する。

 

「学問のすすめ」とは、福沢諭吉氏が明治五年から九年にかけて発行された全十七編の書物を一つに纏めた<難しいから漢字じゃなくていい。>ものである。「天は人の上に人を造らず」という出だしフレーズは日本人ならほとんどの人が知っている。しかしその先の内容を知っている人は多くはない。わたしもその一人だ。そこで今回現代語訳という形で「学問のすすめの」とは何を書いたものなのかを知るためこの本を手に取った。<最後の文、読みにくいからもう一回考えて>

 

本書の内容としては明治時代に福沢諭吉が友人へ送った「学問」とは何かを独人考えで説いたものだ <「独人考え」って何?>。政府や攘夷活動の批判など当時の時代背景が色濃く出ており、読んでいて共感できないことも多々あるかもしれない。しかし要所要所で訳者の斉藤孝氏の説明が注記されているため当時の時代を詳しく知っている人でなくともすらすらと読み進めることができる <←「、」がないので読みにくい>。後半にあたる第十四編から十七編には、人生設計の技術や判断力の鍛え方などビジネス書などの要素が含まれており <←「など」×2で読みにくい>、現代でも生かせる技術も数多く書かれていた。

 

私が思うに本書は福沢諭吉氏が考える学問の必要性が書かれている <「本書は、・・・が書かれている」ではなく、「本書には、・・・が書かれている」>。学問といっても、工学や経営学、会計学など、いわゆる実学と呼ばれるものだ。実学を学ぶことで自分の意識がはっきりとし、経済がうまく回る。そこに人の幸せな生き方があると福沢諭吉氏は語っている。私はこれからたくさんのことを学ぶ多くの学生に幸せな人生の第一歩として本書を読んでもらいたい

じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険(よし)

じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険

南清貴 著

ワニブックスPLUS新書 2014

今年の7月、マクドナルドが消費期限切れのチキンナゲットを販売していたと、新聞や

ニュースに大きく取り上げられていたことを皆さんは覚えているだろうか。マクド

ナルドが好きな私としては大変驚いた出来事だった。そこで私は、外食にはどうい

った危険性があるかかと興味を持ちこの本を手に取った。

著者である南清貴氏は栄養学を深く学んだ方であり、レストランも経営されてい

る。そんな方が自分の体験した話や友人から聞いた話をまとめたものがこの本

である。

本書の内容としては外食の問題を25章に分け紹介されている。偽装加工食品や

食品添加物、中国産やアメリカ産など問題は様々だ。これは薄利多売をこなしていか

なければならない外食チェーン店の原価削減の結果である。全てを読み終えて私

が怖い思ったことは、どの問題も私たちの身近な問題であるということだ。ファミ

レスで売られている飲料水や回転ずしのネタ、ステーキチェーン店のお肉などいま

まで平然と私が口にしたものが危険なものとして紹介されているのだ。

本書は自分の食生活を改めて考えさせられる作品であり、外食の問題を知ってお

いて損はないので一度読んで頂きたい。しかし、本書をこれから読む方に一つ言って

おきたいのは、本書に書かれていることのすべてを鵜吞みにしてはいけない、というこ

とだ。本書に書かれている外食店は確かに存在するかもしれないが、全ての店があ

てはまるわけではない。外食が好きな私としてはそうでなければ辛いし悲しい。

 

 

古川案

・読みやすい ・最後の「全ての店があてはまるわけではない」と考える理由が必要。例えば、本書にはこう書かれているが、実際はこうであり、筆者の認識は間違っているように思われる。だから、全てを鵜呑みにすることはできないが、、、とか。 今年の7月、マクドナルドが消費期限切れのチキンナゲットを販売していたと、新聞やニュースに大きく取り上げられていたことを皆さんは覚えているだろうか。マクドナルドが好きな私としては大変驚いた出来事だった。そこで私は、外食にはどういった危険性があるのかと興味を持ちこの本を手に取った。著者である南清貴氏は栄養学を深く学んだ方であり、レストランも経営されている。そんな方が自分の体験した話や友人から聞いた話をまとめたものがこの本である。  本書の内容としては外食の問題を25章に分け紹介されている。偽装加工食品や食品添加物、中国産やアメリカ産など問題は様々だ。これは薄利多売をこなしていかなければならない外食チェーン店の原価削減の結果である。全てを読み終えて私が怖い思ったことは、どの問題も私たちの身近な問題であるということだ。ファミレスで売られている飲料水や回転ずしのネタ、ステーキチェーン店のお肉などいままで平然と私が口にしたものが危険なものとして紹介されているのだ。  本書は自分の食生活を改めて考えさせられる作品であり、外食の問題を知っておいて損はないので一度読んで頂きたい。しかし、本書をこれから読む方に一つ言っておきたいのは、本書に書かれていることのすべてを鵜吞みにしてはいけない、ということだ。本書に書かれている外食店は確かに存在するかもしれないが、全ての店があてはまるわけではない。外食が好きな私としてはそうでなければ辛いし悲しい。

日本は戦争をするのか―集団的自衛権(よし)

日本は戦争をするのか―集団的自衛権
岩波新書
半田滋著

私は戦争というものを知らない。厳密に言えば、戦争がどういうものかということを歴史として、知識として知っているが体験したことがないため、戦争を身近なものとして感じたことがない。そもそも私は日本が他国と戦争をすることはありえないと思っていた。しかし安倍晋三政権によりそれは現実となりつつある。

本書には長年にわたり日本の防衛について取材を続けてきた、著者半田滋氏が安倍政権の悲願といわれている集団的自衛権の行使が及ぼす影響についてその経験から鋭く説いている。著者が問題視していることのひとつとして集団的自衛権を行使することで第九条の改憲が行われることだ。第九条の改憲が行われれば自衛隊は武力行使が行えるようになり、戦争を行う国防軍へと姿を変えるだろう。自衛隊は第九条を柱としていままで行動してきたからこそ国内外での「後方支援」や「復興支援」で高評価を得ていた。その第九条を改憲して集団的自衛権を行使することは、いままで積み上げてきたものを壊すことと同じではないのだろうかと著者は語っている。本書の最後の文にある、「集団的自衛権の行使容認に踏み切っても、犠牲になるのは自衛官であって政治家ではない」という著者の言葉が印象に残っている。この言葉には著者半田滋氏の思いが強く込められているのではないかと私は思う。

本書はぜひ私と同じような戦争を体験したことのない人にぜひ読んでもらいたい。そしてどんな結論に至ったかぜひ聞かせてもらいたい。

 

古川案

私は戦争を知らない。厳密に言えば、歴史や知識としての戦争は知っていても、体験したこと

がないため、身近に感じたことがない。そもそも私は、日本が他国と戦争をすることはありえな

いと思っていた。しかし安倍晋三政権によりそれは現実となりつつある。

集団的自衛権の行使は、安倍政権の悲願といわれている。本書では、長年にわたり日本の防衛に

ついて取材を続けてきた著者「半田滋」氏が、集団的自衛権の及ぼす影響について鋭く説いて

いる。著者が問題視していることのひとつとして集団的自衛権を行使することで第九条の改憲が

行われることだ。第九条の改憲が行われれば自衛隊は武力行使を行えるようになり、戦争ができ

ない国であったはずの日本が、戦争を行う国防軍へと姿を変えるだろう。自衛隊は第九条を柱

として行動してきたからこそ、「後方支援」や「復興支援」に関して国内外から高評価を得てい

た。その第九条を改憲して集団的自衛権を行使することは、これまで積み上げてきたものを壊

すことと同じではないのだろうかと著者は語っている。本書の最後にある、「集団的自衛権の行

使容認に踏み切っても、犠牲になるのは自衛官であって政治家ではない」という言葉が印象に

残っている。この言葉には著者半田滋氏の思いが強く込められているに違いない。

本書はぜひ私と同じように戦争を体験したことのない人にぜひ読んでもらいたい。そしてどのよ

うな感想を抱いたのかぜひ聞かせてもらいたい。

ミッキーマウスの憂鬱(よし)

「ミッキーマウスの憂鬱」
新潮文庫
松岡圭祐著
最初に言っておきたいことがある。それは、この物語はフィクションであるということだ。
私がこの本を読んだきっかけはその強烈なタイトルに惹かれたためだ。夢と魔法の国ディズニーランドのシンボルキャラクターであるミッキーマウスの憂鬱とはどんな内容なのだろうか。私は胸を躍らせながら本書を読み進めた。

実際読んでみるとミッキーマウスの憂鬱というよりも、ミッキーマウスを支える周りの人々の憂鬱だった。本書の内容としては、空気の読めない主人公、後藤大輔がディズニーランドの準社員つまり裏方のアルバイトとして採用されてからの2日間が描かれている。働き始めて初日の大輔はディズニーで働ける、ということい強い期待を持ち仕事に励もうとしていた。しかしそこにあったのは夢や希望などではない、ただの現実であった。大輔が配属されたのはキャストの衣装や小道具などを扱う美装部という場所だ。 “中の人”などいないとされるディズニーで”中の人“を手伝うという仕事に矛盾を感じながらも、大輔は自分の果たすべき役割を覚え、自分の仕事の意味を痛感し、成長していく。

タイトルだけを見ただけでは、この本のディズニーランドの秘密を暴いた暴露本なのか、と思われてしまうかもしれないがそれは違う。この本に書かれている内容は最初に言った通り、あくまでフィクション、事実ではないしミッキーマウスに“中の人”など存在しない。ディズニーが好きな人の夢を壊す作品などではない。そのためディズニーが好きな人にも問題なく読んでもらいたい。

 

古川案

 

最初に言っておきたいことがある。それは、この物語はフィクションであるということだ。

私がこの本を読んだきっかけはその強烈なタイトルに惹かれたためだ。夢と魔法の国ディズニ

ーランドのシンボルキャラクターであるミッキーマウスの憂鬱とはどんな内容なのだろうか。私は胸

を躍らせながら本書を読み進めた。

実際読んでみるとミッキーマウスの憂鬱というよりも、ミッキーマウスを支える周りの人々の憂

鬱だった。本書の内容としては、空気の読めない主人公、後藤大輔がディズニーランドの準社員

つまり裏方のアルバイトとして採用されてからの2日間が描かれている。働き始めて初日の大輔

はディズニーで働ける、という強い期待を持ち仕事に励もうとしていた。しかしそこにあった

のは夢や希望などではない、ただの現実であった。大輔が配属されたのはキャストの衣装や小道

具などを扱う美装部という場所だ。 “中の人”などいないとされるディズニーで”中の人“を手伝

うという仕事に矛盾を感じながらも、大輔は自分の果たすべき役割を覚え、自分の仕事の意

味を痛感し、成長していく。

タイトルからは、ディズニーランドの暴露本を想起させるがそれは違う。この本に書かれている

内容は最初に言った通り、あくまでフィクション。事実ではないしミッキーマウスに“中の人”な

ど存在しない。ディズニーが好きな人の夢を壊す作品などではない。そのためディズニーが好

きな人も問題なく読むことができる。

桜が創った「日本」―ソメイヨシノ起源への旅(よし)

 

桜が創った「日本」―ソメイヨシノ起源への旅

岩波新書

佐藤俊樹著

みなさんが春を感じるのはいつだろうか。ほとんどの人は桜が咲いた時と答えるのではないかと私は思う。これは我々日本人にとって当たり前のことであり、昔から受け継がれてきた日本人の感性ではないだろうか。と私は本書を読むまでそう思っていた。

著者の佐藤俊樹さんによると、桜が今の日本のように春の象徴として定着したのは今から80年から90年ほど前のことだという。まだ100年もたっていないのだ。また、桜と言われ、ほとんどの人が想像する桜は淡い桃色の花を咲かせる「ソメイヨシノ」という品種だと思われる。この「ソメイヨシノ」は現在、日本の桜の7割を占めているといわれている。しかしこの「ソメイヨシノ」が開発されたのは江戸時代末期だといわれ、生まれてから100年と少ししかたっていないのだ。ではなぜこれほどまでに「ソメイヨシノ」は各地に広がったのか。さらに桜という花は日本の春の象徴となるまでになったのだろうか。それは是非皆さんの目で本書を読んでもらいたい。

本書には著書が調べた「ソメイヨシノ」の起源や急速な普及に関する文献を著者なりの解釈をして綴られている。たびたび難しい議論を繰り返されている場面や、昔の和歌などが書かれているところもあり難しいと感じるところもあるかもしれない。だが、すべて読み終わる頃には、皆さんの春を象徴する桜というイメージが大きく変わってくるだろう。

古川案

 桜の開花で春の到来を感じる。これに異論のある日本人は少ないと思う。これは昔から受け継がれてきた日本人の感性ではないだろうか。私は本書を読むまでそう思っていた。

著者によると、今の日本のように桜が春の象徴として定着したのは今から80年から90年ほど前のことだという。まだ100年もたっていないのだ。また、ほとんどの人が想像する桜は淡い桃色の花を咲かせる「ソメイヨシノ」という品種だと思われる。この「ソメイヨシノ」は現在、日本の桜の7割を占めている。しかしこの「ソメイヨシノ」が開発されたのは江戸時代末期だといわれ、生まれてから100年と少ししかたっていないのだ。ではなぜこれほどまでに「ソメイヨシノ」は各地に広がり、さらには桜という花は日本の春の象徴となるまでになったのだろうか。それは是非皆さんの目で本書を読んでもらいたい。

本書には著書が調べた「ソメイヨシノ」の起源や急速な普及に関する文献を著者なりの解釈をして綴られている。たびたび難しい議論を繰り返されている場面や、昔の和歌などが書かれているところもあり難しいと感じるところもあるかもしれない。だが、すべて読み終わる頃には、皆さんの春を象徴する桜というイメージが大きく変わってくるだろう。

 

地球外生命 われわれは孤独か(よし)

「地球外生命 われわれは孤独か」

井出茂

長沼毅

岩波新書

地球上にはさまざまな生物が存在している。地上で生きる生物もいれば海や川など水の中で生きる生物、目には見えないがバクテリアやプランクトンなどの微生物と呼ばれる生物もいる。では地球外の生物、宇宙に暮らすいわゆる地球外生命は存在するのだろうか。

地球外生命と聞いて私が想像したのは、「ET」や「エイリアン」などのいわゆる仮想の生き物であり、実在しているかもしれないが誰も見たことはないだろうし存在の照明もできないだろう。ただ私は宇宙のどこかには私たちと同じような知的生命体が存在していると思っているし、願っている。

しかし、本書の冒頭で私の願いを否定したのが、著者の一人である生物学者の長沼毅氏である。彼は地球生命がどのように生まれ進化していったのかを述べ、宇宙に生命が存在しうる可能性の低さと私たちが存在していることを奇跡の事件だといった。しかし、それに待ったをかけるのがもう一人の著者である天文学者の井出茂氏だ。彼は宇宙の無数にある生命を宿しえる惑星を述べ、「地球で生命が生まれたのだから、宇宙にはどこにでも生命が住んでいるはず」だといった。

本書は宇宙外生命の存在の肯定や否定などではなく、著者2人の生物学と天文学による存在の可能性が書かれている。読者にはその可能性を学び、いまだ存在の確認をされていない地球外生命を少しでも身近に感じてほしい。

↓古川案

 地球上にはさまざまな生物が存在している。陸上で生きる生物もいれば海や川など水の中で生きる生物、目には見えないバクテリアやプランクトンなどの微生物もいる。では地球外の生物、宇宙に暮らすいわゆる地球外生命は存在するのだろうか。

 地球外生命と聞いて私が想像したのは、「ET」や「エイリアン」などのいわゆる空想生物である。実在しているかもしれないが、誰も見たことはないだろうし、存在を証明することもできないだろう。ただ私は宇宙のどこかには私たちと同じような知的生命体が存在していると思っているし、存在して欲しいと願っている。

 しかしその願いは、著者の一人である生物学者の長沼毅氏に打ち砕かれた。彼は地球生命がどのように生まれ進化したのかを述べ、宇宙に生命が存在しうる可能性の低さを示した。つまり私たちが存在していることが奇跡であることを意味している。その考えに待ったをかけるのが、もう一人の著者である天文学者の井出茂氏だ。彼は宇宙の無数にある、生命を宿しえる惑星について述べ、「地球で生命が生まれたのだから、宇宙にはどこにでも生命が住んでいるはず」といった。

 本書は地球外生命の存在の、単なる肯定や否定などではない。生物学と天文学的知見に基づいた、地球外生命の存在可能性に関する議論である。読者にはその可能性を学び、いまだ存在の確認をされていない地球外生命を少しでも身近に感じてほしい。

アンパンマンの遺書(よし)

「アンパンマンの遺書」
やなせたかし著
岩波現代文庫 2013年

戦後の昭和は活版の全盛期と言われ、のちに日本の文化となる漫画の礎が築かれた。昭和の漫画家には「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」など数々の名作を生み出した手塚治虫、今でもアニメや劇場版が放映されている「ドラえもん」の生みの親、藤子・F・不二雄など平成の現在にも語り継がれている偉大な漫画家が数多くいる。彼らは若くして才能を開花させ、数々の名作を生み出していった。そんな中、人生のほとんどを無名の下積みで過ごし昭和の終わりとともに頭角を現した漫画家がいた。それが平成に生まれてくる子供たちに絶大な人気を誇る「アンパンマン」の作者、やなせたかしである。
「アンパンマン」が人気作品となったときやなせたかしはすでに50代後半であり、やっとの思いでアニメになった時には69歳と漫画家としての花道は大変遅くに訪れた。この「アンパンマンの遺書」には、やなせたかしが子供時代、学生時代、さらには戦時中、そして成人として戦後の社会へ向かっていく過程を通して何を考えていたのか、自分の周りで何が起きたのか、そして「アンパンマン」はどう生まれどうブレイクしたのかが描かれている。この本はアンパンマンの遺書であり、やなせたかしという人の人生であり、遺書でもある。
アニメ「それいけ!アンパンマン」のテーマ曲、「なんのために生まれて、なにをしていきるのか」これを自分のテーマ曲でもあると語ったやなせたかしの感性にこの本を通じて触れてほしい。
↓古川案
今や漫画は日本文化の象徴である。その礎が築かれたのは、活版全盛期の昭和初期であった。その頃の漫画家には、「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」の手塚治虫、「ドラえもん」の藤子・F・不二雄などがおり、現在まで語り継がれる偉人ばかりである。彼らは若くして才能を開花させ、数々の名作を生み出した。そんな中、人生のほとんどを無名の下積みで過ごし、昭和の終わりとともに頭角を現す漫画家がいた。それが「アンパンマン」の作者、やなせたかしである。
「アンパンマン」が人気作品となった時、やなせたかしはすでに50代後半であった。ようやくアニメ化にこぎつけた時には69歳であった。漫画家としての花道は大変遅くに訪れた。本書、「アンパンマンの遺書」には、彼の生涯にわたる経験をもとに、考え続けてきた内容が書かれている。そして、「アンパンマン」の誕生とブレイクする過程も描かれていて興味深い。この本はアンパンマンの遺書であり、やなせたかし本人の遺書でもある。
誰もが口ずさめる、アンパンマンのテーマ曲、「なんのために生まれて♪なにをしていきるのか♪」これを自分のテーマ曲でもあると語ったやなせたかしの感性に、この本を通じて触れることができる。