女子校育ち(はるか)

『女子校育ち』

辛酸なめ子著

ちくまプリマー新書 2011年度
私は高校から女子校だった。というのは、嘘でほぼ女子校だった。共学にも関わらず1学年320人中異性は20人にも満たなかっただろう。おかげで高校生活3年間は女子しかいない環境で過ごしたといっても過言ではない。著書では私のようなエセ女子校育ちではなく、中学から高校まで女子校で育ってきた子たちの実態をうまくとらえている。東京の名門女子校を多数例にあげ、女子校育ちの実態をおもしろおかしく解説しているのだ。
一昔前では、「女子校育ち=おしとやかなお嬢様」と思う人が多かっただろう。しかし実態はそんな美しいものではない。「お嬢様」がいるというのは間違っていないが、決して「おしとやかなお嬢様」はほぼいないと行っても過言ではない。異性のいない空間では本物の自分でいられる、異性の目を気にして猫を被っていない「お嬢様」がそこにはいるのである。
私の場合は高校から女子校で、なによりお嬢様ではない。しかし高校時代を思い出すたくさんの共通点を見つけることができた。女子校に行った人は懐かしむことができ、女子校に行ったことがない人や男性には女子校育ちの実態を知ることができる。

古川案

『女子校育ち』(はるか)
辛酸なめ子著
ちくまプリマー新書 2011年
私の高校は共学だった。とはいえ、1学年320人中男子は20人にも満たなかった。つまり私は女子校育ちといっても過言ではない。著書では私のようなエセ女子校育ちではなく、中学から高校まで女子校で育ってきた子たちの実態をうまくとらえている。東京の名門女子校を多数例にあげ、女子校育ちの実態をおもしろおかしく解説しているのだ。
一昔前では、「女子校育ち=おしとやかなお嬢様」と思う人が多かっただろう。しかし実態はそんな美しいものではない。「お嬢様」がいるというのは間違っていないが、決して「おしとやかなお嬢様」とは限らない。異性のいない空間では本物の自分でいられる。つまり、「お嬢様」たちは猫を被っていないのだ。
私はエセ女子校生で、なによりお嬢様ではない。しかし私の高校時代との共通点をたくさん発見した。女子校に通った人は懐かしむことができ、女子校に通ったことがない人や男性は女子校育ちの実態を知ることができるはずだ。