日本人の禁忌(かんとく)

日本人の禁忌 新谷尚紀/青山出版社/2006年

 

禁忌とは「してはいけないこと」で、「夜に爪を切ってはいけない」、「敷居を踏んではいけない」ということもこの禁忌に当たります。この本ではその禁忌について歴史や宗教、民間伝承を通して読み解いています。ではこの禁忌とはどのようにしてうまれたのでしょうか。

近親相姦を例に挙げてみてみます。歴史をさかのぼると、親子間の結婚は別としても、兄妹間の結婚は珍しいことではありませんでした。ではなぜ近親相姦が禁忌となったのか。明確な答えはありませんが、解釈の一つに生物学的な問題があげられます。血族内、近親者同士の結婚では生まれてくる子供に身体的、あるいは精神的な先天性異常が起こる可能性が高く、死亡率も高くなっています。子孫繁栄は人類にとって大切なものであるため、そうした異常が起こる可能性を避けたというのです。

もう一つ死に対する禁忌について例を挙げてみます。これは「忌み避ける」禁忌であり、根底には死に対する恐怖があります。死体は時間経過とともに腐乱し、異臭を放ちます。そこから死を穢れとする観念が生まれ、穢れは見てはならない、触れてはならないものとして、死が禁忌の対象となりました。

現在にも上の二つ以外に「庭に椿を植えてはいけない」「箸から箸へ食べ物を渡してはいけない」というような禁忌が存在します。前者については、椿の花は突然茎から折れて花のみが落ちますが、古代の人はその様子を侍の首切りと重ね合わせました。そのため椿が家の人間に不幸をもたらす力となってしまうと考えたのです。また後者については、葬式で行う骨壺に骨を納める際の作法を連想させ、縁起が悪いとされ禁忌となりました。このように、私たちの周りにはなぜだかわからないけれども、「してはいけない」と昔から言われていることが多く存在するかと思います。しかし、これらは意味のないものではなく、古の人が生物学上、または宗教上においてよくないと思ったため禁忌とされたものです。禁忌とされているものがなぜ禁忌とされているのか、そのことについて調べてみると古代の日本人の価値観や物の味方がわかってくるのではないかと思います。

 

古川案

 

作者がどのような意図で書いた本なのかが読み取りにくい。つまり禁忌を理解することの重要性などがわからないと、読み手は興味が持てない。

 

禁忌<ふりがないるんじゃないか?ふりがなが必要なことは前回も注意してある。>とは「してはいけないこと」で、「夜に爪を切ってはいけない」、「敷居を踏んではいけない」ということもこの禁忌に当たります。この本ではその禁忌について歴史や宗教、民間伝承を通して読み解いています。ではこの禁忌とはどのようにしてうまれたのでしょうか。

近親相姦を例に挙げてみてみます。歴史をさかのぼると、親子間の結婚は別としても、兄妹間の結婚は珍しいことではありませんでした。ではなぜ近親相姦が禁忌となったのか。明確な答えはありませんが、解釈の一つに生物学的な問題があげられます。血族内、近親者同士の結婚では生まれてくる子供に身体的、あるいは精神的な先天性異常が起こる可能性が高く、死亡率も高くなっています。子孫繁栄は人類にとって大切なものであるため、そうした異常が起こる可能性を避けたというのです。

もう一つ死に対する禁忌について例を挙げてみます。これは「忌み避ける」禁忌であり、根底には死に対する恐怖があります。死体は時間経過とともに腐乱し、異臭を放ちます。そこから死を穢れ<←読めませんでした。。。みんなが読めない語にはふりがなを。>とする観念が生まれ、穢れは見てはならない、触れてはならないものとして、死が禁忌の対象となりました。

現在にも上の二つ以外に「庭に椿を植えてはいけない」「箸から箸へ食べ物を渡してはいけない」というような禁忌が存在します。前者については、椿の花は突然茎から折れて花のみが落ちますが、古代の人はその様子を侍の首切りと重ね合わせました。そのため椿が家の人間に不幸をもたらす力となってしまうと考えたのです。また後者については、葬式で行う骨壺に骨を納める際の作法を連想させ、縁起が悪いとされ禁忌となりました。このように、私たちの周りにはなぜだかわからないけれども、「してはいけない」と昔から言われていることが多く存在するかと思います。しかし、これらは意味のないものではなく、古の人が生物学上、または宗教上においてよくないと思ったため禁忌とされたものです。禁忌とされているものがなぜ禁忌とされているのか、そのことについて調べてみると古代の日本人の価値観や物の味方がわかってくるのではないかと思います。

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